海外では属性情報よりも「信用スコア」を重視する傾向にあります。

海外ではAIスコアレンディングが主流?

 

日本で広がりつつあるAIスコアレンディングは“将来の可能性を重視する”という発想から来ていますが、海外では他にもユニークなレンディングシステムがあります。
特にアメリカでは銀行での貸し渋りが日本と同様に強く表れており、起業を狙う若者や通常の金融機関で借りられない方等は信用スコアを用いたレンディングサービスを多く活用しています。

 

海外ではどのように“スコア”を使用しているのかについてまとめました。

 

アメリカでは既に浸透

 

AIのイメージ画像

 

クレジットカードでの決済が当たり前のアメリカでは、クレジット支払い履歴による“クレジットスコア”を重視する傾向にあります。
将来の収入よりも現実にライフスタイルを害さない程度の貸し付けはどのくらいなのか、という観点でスコアを算出します。
実はこのシステムは最近始まったものでは無く1980年代には既に導入されており、ここ数年での“AI与信”への関心の高まりから再注目されるようになりました。

 

FICOが有名

スコアを算出するシステムとして、フェア・アイザック社の「FICOスコア」が有名です。
①返済履歴、②借入残債、③過去にトラブルが無いか等を基にスコアが算出され、属性情報(勤務先や年収)は一切用いません。
日本でいうところの“クレジットヒストリー”をそのまま数値化するイメージで、信用情報とは区別されています。

 

信用力を重視

アメリカでは2008年にリーマンブラザーズが経営破綻した事により、世界規模の金融危機(所謂「リーマンショック」)が起こりました。破綻原因は様々ありますが、引き金となったのはサブプライムローンでの巨額損失です。
「サブプライムローン」とは、文字通りクレジットカードの支払延滞が多い・収入が低い等の理由で信用力がやや低い層(サブプライム層)を対象にした住宅ローンの事を言います。

信用力を無視して巨額な貸付を繰り返した結果、大手金融機関でありながら経営破綻に追い込まれてしまったのです。この教訓から、アメリカでは「信用力」をより重視する傾向にあります。

 

中国でも広がる「スコア化」の波

中国のECサイト「アリババ」を運営する“Alibaba Group(阿里巴巴集団)”では、独自の信用スコアリングを設けています。
スコアが高ければ多くのサービスで優遇を受ける事が可能となり、最近では貸し出しだけでは無く就活時の信用調査や決済時の料金プラン決定等に役立てています。
他国のスコアレンディングと同様に、クレジットカードの利用及び返済履歴、SNSといった個人的な信用情報の他、所有している財産・学歴・収入等の「属性関係」がスコアリングの対象情報となります。

 

政府が国民をスコア化?

さらに中国では、政府主導の元、国民の信用性を数値化及びデータ化する動きが強まっています。
具体的には過去に問題を起こした国民が航空券や高速鉄道のチケットを購入出来なくなるといった計画であり、日常生活で様々な影響を与える事が予想されています。

 

日本もいずれそうなる?

日本では既に企業に対するスコアリングシステムが浸透しています。
例えば、帝国データバンクが発表する信用情報は企業の信用度をそのまま数値化したものであると言えます。
また、日本では2000年代中ごろには銀行貸し出しの5%はスコアリングを用いたものであったと推定されており、今後ますます広がる事が予想されています。

 

【参考】独立行政法人経済産業研究所

「日本の中小企業向けスコアリング貸出」
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/10e029.html

 

さらに、今後は企業のみならず、個人向け貸し出しに於いてもこの「スコア」が重視されていくものと考えられており、スコアが上がる事で私生活がますます潤っていく(例えば公共料金が下がる等)という未来もそう遠くは無いかもしれません。